第60章 篠崎沙耶香が私に頼む

初めてはY国のカジノだったんだけど、もう三年も経ってすっかり忘れちゃった。どう遊ぶのか全然覚えていない。

白石尭は思わず「くそっ」と呟いた。つまり彼らは男ばかりで純粋に一人の女性をいじめているだけじゃないか。

これはあまりにも卑怯すぎる。

白石尭は思わず口元を歪め、知らん顔をしている松見和也を振り返った。

兄貴、マジで奥さんを放っておくつもりなのか?

タバコの煙の中で松見和也はゆっくりと目を細めた。彼も篠崎沙耶香が全く遊び方を知らないくせに、ここで大口を叩くなんて思ってもみなかった。

一体どこからそんな度胸が出てくるんだ?

一人の女性をいじめるのは少...

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