チャプター 79

ベラ視点:

返事を待つことはしなかった。ドアを押し開けて中へ踏み込み、廊下に突っ立ったままのイーサンを――あいつらしい愚かさそのままに――置き去りにした。

ジェーンはドアに身体を押しつけ、耳を隙間へ傾けて、私たちのやり取りを一言も逃すまいとしていた。私の姿を認めると、風雨にさらされて刻まれた顔が嫌悪に歪み、ドアのほうへ向き直って――唾を吐いた。ほんとうに、吐いたのだ。イーサンのいる方向へ。

「あの男……」ジェーンは口の端を手の甲で拭いながら、低く呟いた。「あの男は毒だよ」

私は背後のドアをきっぱりと閉め、遠ざかっていくイーサンの足音ごと締め出した。手はまだ震えている。けれど恐怖じゃない...

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