第41章

『見逃してやる?』

村木原矢が鼻で笑い、気だるげに片手を上げると、酒場の店主の頭を床へぐいっと押しつけた。容赦のない力だ。

『さっきは、そんな口きいてなかったよな』

店主の顔は床に押し潰されて歪みかけている。それでも構っていられないのか、くぐもった声で必死に命乞いを続けた。

『悪かった……本当に悪かったんだ。警察だけはやめてくれ、もう一度だけ、やり直すチャンスを……』

泣きたいのに泣けないような声。だが村木原矢は一切取り合わない。片手で店主を押さえたまま、もう片方の手でスマホを取り出し、同僚へ電話を入れた。

それから三十分も経たないうちに、耳を裂くようなサイレンが遠くから近づいて...

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