第46章

写真の女は正面こそ写っていない。だが白石七海は、服装と背丈、ぼやけた横顔だけで、それが誰かを言い当てた。

怒りで胸が上下し、瞳の奥は殺気に染まる。拳をぎゅっと握り締め、嫉妬で奥歯を噛みしめた。

林原撫子――あのクズ。よくも、そんな真似ができたものだ……。

一方で、トレンドは世間を騒がせていたというのに、当の林原撫子はまるで知らなかった。被害者が飛び降り自殺したと知ってからというもの、彼女は一日じゅう魂が抜けたみたいに過ごし、外の出来事にまるで気力が湧かなかったのだ。

遺書も読んだ。涙で滲んだ乱雑な文字は、感謝と謝罪ばかりで、ただ一つ繰り返されていたのは『家族に申し訳ない』という言葉だ...

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