第19章

「もう一度言うわ。ドアを開けて。でなきゃリビングで寝る。私の顔を見るだけで虫唾が走るっていうなら、これから毎日、嫌でも見続けることになるわよ」

 梨紗が冷ややかに笑うと、健治はがたっと立ち上がった。顔色は見る見るうちに悪くなる。

「リビングで寝るだと? 家族みんなにAIDSでもうつす気か!」

 梨紗はどうでもよさそうに肩をすくめた。

「そっちが開けないなら、私はそこで寝るだけよ。あちこち触って、どこで横になるかも分からないし、何が残るかなんて、私にも分からないわね」

「お前……!」

「健治。梨紗の部屋を開けてやれ」

 そう言いながら、亀之助が二階から下りてきた。

 健治は眉を...

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