第36章

康之は慌てて歩み寄り、リリアを背中にかばった。

「梨紗、リリアだって悪気があって言ったわけじゃない。しかも今、妊娠してるんだ。もう彼女を目の敵にするのはやめろ」

亀之助は机を叩いて立ち上がる。

「この前、お前がリリアのベッドに虱を撒いた件は大目に見てやった。それでもまだ明日の契約っていう大事な日に水を差す気なら――新しい恨みも古い恨みもまとめて清算してやるぞ!」

リリアは康之の胸に身を縮め、しゃくり上げながら言った。

「私に当たるのは構いません。でも、お願い……明日の会社の大事だけは台無しにしないで……! どうしてもって言うなら……私、プロジェクト責任者の座、梨紗さんに譲ります。明...

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