第38章

圭也は助手席でコートにくるまっている梨紗を横目に見ながら、ふと「コリ」の面影と重ねてしまい――そこでようやく、自分が梨紗に惹かれているのだと気づいた。

たった一秒。圭也はその事実を受け入れていた。

「分かった。康之には近づかせない。もう遅いし、帰ってちゃんと休め」

梨紗はちらりと圭也を見る。……なんだろう。さっきから妙に優しい声。気のせい?

そう考えた瞬間、圭也が手を伸ばして、梨紗の首元に触れようとした。

「――っ! な、何するの?!」

梨紗は反射的に隅へ身を引き、警戒心むき出しで睨む。

圭也の手は宙で止まったまま、彼は困ったように肩をすくめた。

「首、引っかかれたみたいな跡...

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