第21章

彼女が手を差し出すと、掌の上にはピジョンブラッドルビーのネックレスが横たわっていた。

九条瑞希の、さっきまで色を失っていた涙まみれの顔に、ぱっと希望の火が灯る。興奮のあまり跳ね上がりそうな勢いで叫んだ。

「ママ! ほら! やっぱりお姉ちゃんが盗んだんだ!」

瑞希は乱暴に涙をぬぐい、異様なまでにテンションが高い。ついさっきまでの号泣していたみっともなさとは、まるで別人だった。

その鮮やかな変わり身に、九条美琴はまた吹き出してしまう。

「瑞希、芸能界に行ったら? 名女優になれるよ」

広末蓉子は長女の掌のネックレスを見つめ、失望と痛みを滲ませた。

「美琴……どうして泥棒なんてするの。...

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