第25章

菅野優斗は秒で返し、しかもボイスメッセージだった。

「美琴、そんな言い方するなよ。君が幸せなら、それだけで俺も救われるんだ」

その瞬間の菅野優斗は、自分がとてつもなく立派な人間に思えていた。――自分がバカにされているとも知らずに。

「……」

陸川雅樹は、いつもの冷えた表情のまま、なんとも言えない顔をした。

医者になってからというもの、彼は人の表も裏も嫌というほど見てきた。取り繕った笑顔も、醜い本性も。

だが、あの女ほど――あれほど整った顔をしていながら、やることがここまで厚かましい人間は見たことがない。

陸川雅樹の九条美琴を見る視線は、露骨な軽蔑と拒絶を帯びていく。

同時に、...

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