第789章致命傷とは

静まり返った病室。

部屋の血痕も、看護師によってきれいに拭き取られていた。

まるで、先ほどここで起きたことなど何もなかったかのように、すべてが元の状態に戻っていた。

病室のドアが押し開けられる。

セシリアが顔を上げると、そこにいたのはカシウスだった。

カシウスの姿を認めた瞬間、彼女は視線を横にそらした。

カシウスが何を言いに来たのかわかっているようで、全身で拒絶を示していた。

カシウスとて、この対立を仲裁しに来たいわけではなかった。夫婦間の問題など、簡単に解決できるものではないのか?

セシリアとアラリックは、一体どこまで争うつもりなのだろう。

カシウスはセシリアのベッドのそば...

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