第21章 ここはお前を歓迎しない

 

須藤寧音は椅子に深くもたれ、指先の冷たさを握りしめた。

古川寒弥が去り際に向けてきた目――あの視線だけが、脳裏に焼き付いて離れない。

何をしても、彼の中では「計算づくの芝居」に変換される。

胸のあたりは空洞で、痛みさえ鈍く、麻痺していく。

「ねね、大丈夫?」

文さんが、湯気の立つ蜂蜜湯を持って入ってきた。眉間に刻まれた心配がそのまま表情になっている。

寧音は小さく首を振り、カップを受け取った。飲まずに、両手で包む。熱を借りて、凍えた指をあたためるだけ。

「平気だよ」

泣き顔よりひどい笑みが、口元に浮かんだ。

「向こうが騒ぎたいなら、最後まで付き合う」

言葉は淡々として...

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