第22章 世界を創ることもできるし、世界を滅ぼすこともできる

 

須藤寧音は、はっと顔を上げた。

ぶつかったのは、男の瞳――怒りと嫌悪で満ち、今にも燃え上がりそうな目だった。

その視線は、シベリアから吹きつける寒波よりも冷たい。

全身の血が、音もなく凍っていく。

――そうか。

彼女が引き裂かれるように痛んでいた、その裏側で。

自分の「本気」だと思っていたものは、たった一つの芝居に過ぎなかったのだ。

「寒弥! おまえ……!」

病床の古川爺さんが、怒りで震えながら手を伸ばす。指先まで小刻みに揺れていた。

「おまえな……ねねに、そんな言い方があるか……っ、げほ……げほっ……!」

激情が引き金になり、激しい咳が続く。老人の顔色が一気に赤く染...

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