第51章 「自分の血液型がわからない」

星市第一病院の救急棟。

廊下の突き当たりで「手術中」のランプがぎらぎらと眩しく灯り、須藤寧音の両目を焼くように痛めつけた。

辰ちゃん……。

ついさっきまでリビングで、あの子は彼女を睨みつけていた。なのに今は、固く閉ざされた扉の向こうで、生きるか死ぬかの境をさまよっている。

古川寒弥が、冷たい壁に拳を叩きつけた。次の瞬間、関節はずるりと裂け、赤黒い血が滲む。

だが本人は痛みなど感じていないようだった。檻に閉じ込められた獣みたいに、手術室の前を落ち着きなく行ったり来たりする。仕立てのいい高級スーツは血と汚れで皺だらけ、近寄るなと言わんばかりの荒々しい殺気が全身から噴き出していた。

寧...

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