第59章 須藤寧音、お前は俺に説明するべきじゃないか?

初春の冷たい夜風が、廊下の突き当たりの窓からごうっと吹き込んできた。

須藤寧音はトレンチの襟を引き寄せ、最後の白湯を飲み干して立ち上がる。

「帰ろう」

「うん」小寺蘭が慌てて支えに回る。「車、下に停めてある。毛布も持ってきたから、乗ったらすぐ掛けて。絶対に冷やしちゃだめだよ」

未来への憧れは、弱くても確かな光となって、ここ数日胸にこびりついていた陰りを静かに押し退けた。

出ていけさえすれば、きっと全部うまくいく。

ふたりが病院ロビーへ差しかかった瞬間、バタバタと荒い足音が押し寄せ、医療スタッフの切迫した声が飛び交った。

「急いで! 早く!」

「交通事故の重症! 頭部に強い衝撃...

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