第16章

だが今、美咲はすっかり取り乱していた。慌てて隼人に電話をかける。

「隼人! 大変! 美月が、蒼音だったの! 今、私が蒼音の曲を盗んだってXに書いてるの! どうしよう、何か考えてよ!」

隼人も一瞬、頭が真っ白になった。自分たちがずっと見下してきた美月が、まさか業界でも名の知れた謎の音楽家・蒼音だったなんて。

だが彼はすぐに気持ちを立て直す。

「落ち着け。今は何も認めるな。知らなかった、偶然だって押し通せ」

「それと、はっきりしない投稿を出せ。ファンに、おまえこそ蒼音なんじゃないか、もしくは蒼音と同一人物なんじゃないかって思わせるんだ」

美咲はその意図をすぐに理解した。

深く息を吸...

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