第20章

蓮は遠巻きに、皆と楽しげに談笑している美月を睨みつけた。苛立ちを押し殺せず、拳を壁へ叩きつける。

ドン、と鈍い音。

その目つきは陰湿で、ぞっとするほどだった。

――いつか必ず。あいつを俺の前に跪かせて、許しを乞わせてやる。泣き喚こうが容赦しない。踏みにじって、壊してやる。

そんな歪んだ妄執など、美月は知る由もない。

彼女はチームメイトと「夜、どこでお祝いする?」と盛り上がっていたところで、スマホが震えた。

フィルハーモニー管弦楽団の佐藤先生からだ。

「美月ちゃん、朗報だよ!」

受話口の向こうの声は弾んでいた。

「来月のフィルハーモニー管弦楽団の年次コンサートなんだけど、君に...

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