第55章

取調べは、かれこれ1時間近く続いた。

だが、どの証拠を突き合わせても、拓真に犯行の機会があったとは考えにくい。

年配の警官は調書を閉じ、拓真に向かって告げた。

「一ノ瀬様、ご協力ありがとうございました。現時点では、あなたの嫌疑はほぼ晴れたと見ております。ひとまずお帰りいただいて結構です。今後、必要があれば改めてご連絡する可能性があります」

拓真は小さくうなずき、車椅子を操作して取調室を出た。

廊下では、美咲が隼人の腕にしがみつき、声を潜めてすすり泣いていた。

「隼人、どうしよう……。もし拓真が絶対に認めなかったら、警察、私がやったってことにしちゃうんじゃないかな……。私、本当に濡...

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