第101章

ドアが閉まった。

岩崎真乃はひとり、ベッドの縁に腰を下ろす。カーテンの隙間から差し込む細い天光が、足元へすっと落ちていた。

スマホの画面が、また点いた。

今度はニュースのプッシュ通知。

【K市音楽協会が声明を発表。若手クリエイター「真夏」の実在の身元を確認。物議を醸した出場者の出場資格を取り消し、大会成績は再審議へ】

岩崎真乃は、その一行を見つめたまま、瞳孔がゆっくりと開いていく。

再審議。

順位の降格でも、注意処分でもない。再審議だ。

あの大会で取った準優勝は、いまの彼女が唯一、胸を張って差し出せるものだった。

それすら消えたら――。

同じ頃、清宮紬のスマホにも一通、メ...

ログインして続きを読む