第123章

「紬……っ! 私の娘……!」

美坂莉央は清宮紬を力いっぱい抱き締めた。骨の髄まで揉み込む勢いで、肩がきしむほどだ。

懐かしい、ほのかな香り。莉央は涙も鼻水もぐしゃぐしゃにして、紬の背中や腕を何度も確かめるように撫で回す。

「見せて……痩せてない? どこかケガしてない? もう……この二日、ママ、心臓が止まるかと思ったのよ!」

息が詰まるほど強い抱擁。それでも、その必死さが温かくて、胸の奥がじんと熱くなる。

岩崎家で過ごした二十年。こんなふうに、骨の髄まで心配される「家族」を、紬は知らなかった。

目の前の上品なはずの貴婦人は、たった二日連絡が取れなかっただけで、目に見えてやつれている...

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