第14章

言葉が落ちた瞬間、世界がふっと死んだみたいに静まり返った。

美坂莉央は媚びるような目をほんのわずかに細め、清宮瑠奈を見据える。その瞳の底は、ぞっとするほど冷たい。

清宮瑠奈は心臓がきゅっと縮んだ。――言い方が露骨すぎた。自分の浅ましい思惑が、母の前で丸見えになっている。

「ママ……」

声が勝手に震える。瑠奈は怯えたように、けれど甘えるような調子で言い訳を重ねた。

「お姉ちゃんの身元を疑ってるわけじゃないの。ただ、ママとパパが騙されてたらって思って……」

最後は、ほとんど息に埋もれる。

美坂莉央は眉尻を持ち上げ、刃物みたいな視線で瑠奈を量る。すべて見透かしたように、赤い唇が意味深...

ログインして続きを読む