第50章

佐藤晶子は、まるで天地がひっくり返るほどの冗談でも聞かされたみたいに、またもや喉を張って笑い出した。

「ははははっ! あたしが三歳児にでも見える?」

「交渉? 笑わせないで! ここを降りた瞬間、警官がわらわら飛び出してきて、あたしを取り押さえるに決まってる!」

「言っとくけど、この数年のやらかし具合じゃ、終身刑でも文句言えないわよ」

「牢屋に放り込まれるくらいなら、自分でケリつけたほうがマシ!」

清宮紬は鼻で笑った。

「この屋上に通じる扉は、いま私の背中の向こうに一つだけ。……チーターでも、そこから走ってくるのに十秒はかかるでしょ?」

「だから、いったん手すりの内側に座って。何...

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