第83章

カフェに戻ると、さっきまでカウンターにたむろしていた連中は、渡辺美菜を取り囲んだまま、清宮紬が座っていた席へと移動していた。床に転がっていた若い男の姿は、もうどこにもない。

清宮紬がひとりで戻ってきたのを見て、渡辺美菜の顔色が変わる。嫌な予感が胸を突き上げたのだろう。勢いよく立ち上がり、声を荒げた。

「ちょ、ちょっと……あんた、あいつに何したの!」

清宮紬は涼しい顔で肩をすくめる。

「話がしたいって言うから、話しただけ。たぶん……納得したんじゃない?」

そう言いながら、目の前に並ぶ十数人の大男たちの間をすり抜け、テーブルの上のハンドバッグに手を伸ばす。だが次の瞬間、渡辺美菜が手首を...

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