第96章

清宮紬の胸が、ふとざわめいた。

たしか叔母さんはこう言っていた。あの名簿に並ぶ名前は、かつて白石琴音と岩崎成夫の所業に憤った人間が書き残したもので――しかも、相当な危険を承知でやったのだと。

そんな真似、どう見ても清宮尚大にできることじゃない。

だとしたら……。

背後で扉が開く音がして、唐沢星也の姿が彼女の思考を断ち切った。

「入って。叔母さんが、まだ君と話したいって」

清宮紬は小さくうなずき、手にしていたものをしまうと、唐沢星也の後に続いて病室へ入った。ベッドの叔母さんはまだ顔色が青白い。それでも清宮紬を見つけた瞬間、弱っていた瞳がふっと和らぎ、手招きする。

清宮紬は足早に枕...

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