第18章 数日付き合ってくれれば、協力は手に入る

「行くぞ。搭乗だ」

真田辰則が、彼女の目の前に手を差し出した。

窓の外から差し込む夕暮れの残光が、男の手の甲――浮き出た血管の上にちょうど落ちる。

やわらかくて、あたたかい。

相馬蛍は顔を上げ、水で洗ったみたいに澄んだ目で彼を見たまま、ぼんやりと固まった。

――この『あたたかさ』が、五年前にもあったなら。

そう思ってしまう。

「何ぼーっとしてる」

真田辰則は身をかがめ、彼女の手を掴んで掌に包み込んだ。声には、本人すら気づいていない優しさが混じる。

「泣くほどのことかよ。別に、ほんとに何かするつもりだったわけじゃねえ」

相馬蛍の目元が、またじわりと赤くなる。

真田辰則はウ...

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