第33章 真田社長が二人を連れて島に上陸する

相馬蛍はサングラスをかけ、スーツケースを押して部屋を出た。薄手のロングシャツにロングパンツ、足元はビーチサンダル。どう見ても休暇で来た観光客だ。

――自分だって、そのつもりだった。ここ数年は忙しすぎて、のんびり羽を伸ばす時間なんて一度もなかったのに。

エレベーターを降りてホテルのロビーに出た途端、遠目にも目に飛び込んできた。親しげに寄り添う二つの影。やけに眩しくて、無視できるはずがない。

「ちぇ~」

真田辰則、ほんと人を丸め込むのが上手い。もう仲直りか。

背の高い男は淡い色のカジュアルに身を包み、寄り添う小柄な女は濃紺のキャミワンピのミニ丈、ヒールで背伸びしている。男に比べれば、彼...

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