第52章 お前は俺のもの

夏川邸。

二人が車を降りると、夏川グループ会長の夏川徳康がみずから玄関先まで出迎え、黒木礼へ手を差し出した。

「黒木社長。本日はわざわざ拙宅までお越しいただき、光栄です」

黒木礼もその手を取り、軽く握り返す。

「夏川会長こそ、ご丁寧に」

「……こちらの方は?」

夏川徳康が手を離したあと、黒木礼の隣に立つ相馬蛍に目を留める。どこかで見た気もするが、確信が持てない――そんな顔だ。

黒木礼は簡潔に紹介した。

「弟の妻です。相馬蛍。HJグループの営業副部長でもあります」

「なるほど、黒木次男様の奥様でしたか。どうぞ中へ」

「本日はお招きいただき、ありがとうございます。夏川会長」

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