第62章 廃墟と化した撮影現場

「……」

……

会社に着くなり、午前中いっぱいプロジェクトの打ち合わせに缶詰になった。

それが終わると、相馬蛍は南郊の旧市街へ、もう一度足を延ばすことに決める。子どもの頃は何度も行った場所だ。ここ数年で、どれほど変わったのか――確かめたかった。

あのロケ地。

まだ残っているのか、見に行きたい。

車であの川沿いを通ったとき、蛍が真っ先に思い出したのは真田辰則ではなかった。昨夜、トイレで会った若い女優ふたりのことだ。

彼女たちは言っていた。

あの火事は、夏川香織と五味彩南を殺すために仕組まれたものだ、と。

誰がやったのか。答えは、そう難しくない。

水原初歌の母親。

そして、...

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