第78章 浴室内の戯れ

真田辰則は彼女のその様子を見て、瞳にさらに興味の色を滲ませた。指先で顎をつまみ上げる。

耳元へ落ちてくる声は、掠れて低い。

「この数年で、ずいぶん変わったな。……大人にもなった」

相馬蛍の頬が、かっと熱くなった。

胸の奥に火種を落とされたみたいに、身体の内側が一気に乾いていく。まるで火鉢の前に閉じ込められたみたいだ。

水面に浮かび上がった魚が、必死に尾を打って水へ戻ろうとするのに、わざと戻さず、窒息する痛みを味わわせる――そんな残酷さ。

窓の隙間から忍び込む空気に、少しでも近づきたかった。

「……変わってない。私、変わってない! あなた、私を水原初歌と間違えてるんでしょ。早く、...

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