第105章 映画館でやり残したこと

賀川時は、手元の目覚まし時計をいじっている雲田茜を見て、一瞬動きを止めた。

「誰かが俺たちの部屋に入ったと疑ってるのか?」

賀川時は声を潜めて尋ねた。

雲田茜は頷いた。

「疑いじゃなくて、確信よ。これを見て」

雲田茜はスマホを取り出し、ある動画を再生して賀川時につきつけた。見終えた瞬間、賀川時の表情が凍りつく。

「あの女、本当に懲りないな。こうなったら、もう容赦はしないぞ!」

賀川時はそう言い捨ててスマホを取り出そうとしたが、雲田茜に制止された。

賀川時は不可解そうに雲田茜を見つめる。

「何をする気だ? まさか、親父の顔を立ててあいつを許すつもりじゃないだろうな...

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