第110章 懲罰

白鳥紗雪の悪意に触れたその瞬間から、雲田茜は心の中に強い警戒心を抱いていた。

信じたくはない現実だが、認めざるを得ない。敵は一人また一人と、その悪辣さを増しているのだ。

まず、茜の腎臓を奪い手術台の上で殺そうとした雲田美咲。次に、賀川哲也に嫁がせて死へ追いやろうとした両親。さらに、男たちを雇っての輪姦と性病感染を目論んだ田中瑶子。そして最後が、ジャングルで彼女を亡き者にしようとした白鳥紗雪だ。

茜は時折、天に問いたくなる。一体、私が何をしたというのか? かつて賀川哲也を好いていた頃は虐げられ、彼への想いを捨て賀川時との結婚を選んだ今も、なお標的にされ続けている。これでは結婚した...

ログインして続きを読む