第122章 彼はあなたの甥だぞ

雲田茜は、先日参加した技術展示会の抽選で30台ものスマートフォンが当たったという顛末を、中橋唯生に打ち明けた。

中橋唯生は驚きのあまり口をあんぐりと開けた。まさか雲田茜がそこまで強運の持ち主だとは予想もしなかったからだ。

(いや、待てよ。いくら抽選イベントだとしても、30台ものスマホを一人に全部渡すなんてあり得ない。裏に何かあるはずだ)

中橋唯生の脳裏に、即座に賀川時の顔が浮かんだ。あのオーストラリアで開催された技術展示会については、彼も耳にしていたからだ。

賀川時もまた、その展示会に参加していた。もし彼と雲田茜の関係によるものだとすれば、これらのスマートフォンが福利厚生のよ...

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