第123章 二人の女の対決

雲田茜が部署の同僚たちに向けてその言葉を言い終えると同時に、背後から中橋唯生の声が響いてきた。

「揉めてるって聞いたから、何事かと思って様子を見に来たんだが?」

中橋唯生は笑顔を浮かべ、デザイン部の同僚たちに挨拶を送る。

もちろん、中橋唯生は何が起きているのか承知している。この後、黒崎加里が痛い目を見ることも分かっていた。彼がここへ来た目的はただ一つ、雲田茜の株を上げることにある。

「中橋唯生さん、雲田さんが偽物のスマホを持ってきて最新型だと嘘をついているんです。私たちは普段正規品しか使いませんから、こんなパチモノは使いません。彼女を諭してください」

黒崎加里の口元に、冷やや...

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