第131章 黒崎加里の陰謀

中橋唯生は当初、この計画のすべてを雲田茜に任せるつもりでいた。だが、現在のデザイン部が二つの派閥に分かれている現状を鑑みると、組織の長として会社の利益を最優先に考えなければならない。苦渋の決断ではあったが、彼はこのプロジェクトを雲田茜に加え、黒崎加里にも任せることにした。

黒崎加里の瞳がぱっと輝いた。

「中橋部長、その任務なら絶対にお任せください! 以前、海外にいた頃にケビンさんと交流がありまして、私のデザインスタイルは彼の理想そのものだと褒めていただいたことがあるんです」

まさか黒崎加里にそのような経歴があるとは、中橋唯生も予想外だった。

「そうか。ならばその経験を活かしてし...

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