第301章 泣いている片桐夏

片桐佐希はこの街の人間ではない。ゆえに彼女は、かつてこの都市の裏側で何が起きたのかを知る由もなかった。

だからこそ、片桐夏が取り出した「現在の」田中瑶子の写真を目にした瞬間、彼女は息を呑んだ。

写真に写る少女の姿は、あまりにも凄惨だった。

四肢は切断され、残されているのは胴体のみ。両眼は抉り取られ、鼻も削ぎ落とされている。頭髪は無残に剃り上げられ、頭部の血管に繋がれた点滴チューブだけが、彼女をこの世に繋ぎ止めているようだった。

それは、見ていて心が凍りつくような、おぞましい光景だった。

「これ全部、雲田茜がやったって言うんですか? でも、とてもそうは見えませんけど……。あんな華奢な...

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