第305章 内部から破る

 雲田美咲が通話ボタンを押すと、再びあの聞き覚えのある声が鼓膜を揺らした。

「俺の予想が正しければ、今頃あんたはスマホを叩き壊している最中じゃないか?」

 受話器の向こうから、揶揄するような男の声が響く。

 雲田美咲は鼻を鳴らし、スマホを握りしめたままベッドに腰を下ろした。

「私を嘲笑うためにわざわざ電話してきたの? 雲田茜はもう株の大半を握って社長になったわ。これ以上、私が争う余地なんてどこにもないじゃない」

 男は可笑しそうに笑った。

「相変わらず商才がないな。賀川哲也との色恋沙汰で、その知恵まで木偶の坊並みに退化したか」

「いい加減にして。解決策がないなら切るわよ。あんた...

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