第418章 恋愛ポエム

トムがただの馬鹿なら、賀川時の覚えがめでたいはずがない。臆病者ほど警戒心が強く、常に後先を考えて行動するものだ。

ハンサムな顔立ちと、幾許かの甘い言葉。それだけでミシェルの信用を勝ち取れるなどと、トムは微塵も思っていない。

彼女はまだ疑っている。その疑念を晴らすには、どうしても時間が必要だ。

安全確保のため、トムは部屋中をくまなく調べたが、監視カメラや盗聴器の類は見つからなかった。安堵の溜息を漏らす一方で、胸の奥には僅かな違和感が残る。

「あの女、本当にこの部屋に何も仕掛けてないのか?」

まだ信じきれないトムは小さく呟き、視線を壁や天井へと這わせた。

リビングに椅子を持ち込み、そ...

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