第63章 1位はまさかの彼女

林原海子と雲田茜は背後を振り返った。そこには、グラスを手にした田中瑶子が立っていた。二人は思わず呆気にとられた。

雲田茜は林原海子を見て、呆れたように尋ねる。

「また彼女の話をしたの?」

林原海子は驚愕して首を激しく横に振った。

「まさか。なんのために? わざわざ自分からトラブルを招くようなことするわけないでしょ」

二人の会話を聞いていた田中瑶子は、苛立ちを募らせた。この女たちは、あろうことか自分を完全に無視しているのだ。

「あなたたち、タダ飯でも食らいに紛れ込んだの? 警備員を呼んでつまみ出してもらってもいいのよ?」

田中瑶子はグラスを強く握りしめ、歯噛みしながら雲...

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