第85章 浴室の激情

浴室からは、水音とじゃれ合うような騒がしい音が漏れ聞こえてくる。

雲田茜は体をくねらせ、服を脱がそうとする賀川時の手を必死に拒んでいたが、シャワーの水流に打たれ、二人の服はたちまち濡れそぼってしまった。

「早く脱がないと風邪を引くぞ」

賀川時は両腕を広げ、雲田茜を抱きしめた。

彼は頭を下げて唇を重ね、その手は雲田茜の胸へと這う。もう片方の手が、彼女の服を脱がしにかかった。

口づけを交わす間に、一枚、また一枚と衣服が浴室の外へと放り投げられていく。

賀川時と雲田茜の舌は口内で激しく絡み合い、唾液とシャワーのしずくが混じり合って頬を伝い落ちる。

賀川時の手が背筋をなぞ...

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