第120章 引き継ぎ成功

車は見慣れたエリアへ戻ってきた。

二人は裏口で落ち合う手筈を決める。交渉に出るのは南坂海乃ひとり。万が一のときは、外で野口颯汰が援護できる。

ほどなくして、海乃は植え込みの奥で中野梅子を見つけた。

女は分厚い書類の束を胸に抱き、まるで奪われるのを恐れるように指を食い込ませている。その目は、じっと海乃を射抜いていた。

「これが、横尾皓が当時やってた密輸と偽造の……全部の証拠」

梅子は書類をいっそう強く抱き締めると、不意に気味の悪い笑みを浮かべた。

「でも、どうしてあんたを信じなきゃいけないの? 本当に助けるって、どうやって確かめるのよ」

南坂海乃は手にしていたキャッシュカードを指...

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