第104章

桜井有菜は冷ややかな瞳でイートン伯爵を見据えた。この男の手口も、それを実行できる力も知っている。だが、桜井有菜は生まれついての天邪鬼だ。屈服など、あり得ない。

「条件を言え。どうすれば五発のミサイルをすべて設置する気になる」

桜井有菜は高圧的な伯爵を見返した。まるで爪を立てて威嚇する張り子の虎だ。指先一つで簡単に破れてしまう。

「ミサイルの設置なんて、命がけの仕事ですよ。私がどんな条件を出すと思います? あなたのイートン荘園? 悪いけど興味ないわ。手伝ってほしいなら、このクルーザーを頂戴。それならやってあげる。どうかしら」

イートン伯爵は眉をひそめ、驚きの色を浮かべて桜井有菜を見た。...

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