第134章

藤宮弘也は真剣な眼差しで老人を見据え、威儀を正して言った。

「有菜ちゃんのことは本気で愛しています。彼女がまだ若くなければ、今すぐにでも婚姻届を出したいくらいだ。今はまず婚約をさせていただきたい。結婚の時期については、すべて有菜ちゃんの意思を尊重します」

 藤宮弘也の誓いを、桜井昭二はすぐには信じようとしなかった。

「婚約は認めよう。有菜が認めた相手だ、相応の立場を与えるべきだろう」

 桜井有菜は目を丸くした。何かがおかしい、そう直感したのだ。

 続いて老人は告げた。

「桜井家の孫娘は有菜ただ一人。ゆえに、彼女と一緒になりたいのなら道は一つしかない。――入り婿になることだ!」

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