第153章

 藤宮家で過ごす最初の夜、桜井有菜はよく眠れなかった。枕が変わったからではない。肩甲骨の骨折に加え、日中動きすぎたせいで、夜になって肩全体に激しい痛みが走ったのだ。

 痛みをこらえて鎮痛剤を飲んだものの、ほとんど効き目はない。電話をかけようとしたその時、ふいにドアが開いて誰かが入ってきた。

 「有菜ちゃん、どうしたんだ?」

 パジャマ姿の藤宮弘也だった。すでに就寝していたのだろう。

 「こんなに遅いのに、まだ起きていたんですか」

 有菜の言葉が終わるか終わらないかのうちに、弘也はベッドの脇まで歩み寄り、彼女の額に浮かぶびっしりとした汗を見て、たちまち顔をこわばらせた。

 「どこか...

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