第197章

残業という言葉が出た途端、その場にいた全員が押し黙った。彼らのボスは正真正銘の残業魔なのだ。かつて七日七晩ぶっ続けで働き、四、五人の社員を過労で倒れさせ、あわや大惨事というところまでいった。結局、藤宮美子に三日間しこたま説教されて、ようやく大人しくなったという逸話がある。

ほどなくして、桜井有菜は五木八代や藤宮美子とデザイン画の打ち合わせに入った。五木たちが使っている描画ソフトがあまりにも古いことに気づいた有菜は、手際よくプログラムをアップデートし、さらに3Dホログラム投影まで組み込んでみせた。これには五木八代も顎が外れんばかりに驚いた。

「これ、こんな風にもなるのか」

彼はホログラム...

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