第49章

昨夜、桜井美月は桜井優子に保護者会があることを伝えていた。母親である桜井優子はもちろん快く承諾した。こういった行事は常に彼女が出席するものであり、桜井浩明は一切関わることはなかった。

ただ今回、桜井優子は桜井有菜のことが頭に浮かんだ。もし美月のクラスに行けば、必然的に有菜の保護者会には参加できなくなる。桜井有菜は家から追い出されたとはいえ、それでも彼女は…

「ママ、有菜の保護者会にも行きたいって思ってるよね。私は大丈夫だから、有菜のところに行ってきて!」桜井美月は俯いて少し寂しげに言った。

桜井優子は娘を見つめ、結局ため息をついた。

「有菜ちゃんにはお爺さんがいるわ。余計なお世話はい...

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