第71章

藤宮弘也は片眉を跳ね上げた。まさか、自分が桜井有菜に釣り合わないなどと宣う輩がいるとは。

「桜井さん、あなたは一体どういう立場で物を言っているんです? 桜井グループのゼネラルマネージャーとしてか、それとも有菜ちゃんの家族としてか」

「僕は有菜ちゃんの兄として……」

 桜井城が言いかけた言葉を、藤宮弘也は手で制した。

「桜井さん、お忘れのようですね。五年前、彼女を家から追い出したのは、他ならぬあなた方『家族』だ。彼女があなたたちを許すのは、彼女が優しいからに過ぎない。だが、私は違う。これ以上、家族という名目で彼女を精神的に拘束するのを黙って見ているつもりはありませんよ。桜井城、桜井有菜...

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