第74章

桜井有菜は座を白けさせるような真似はしたくなかったが、今の状況ではそうも言っていられない。

「藤宮さん。私はまだ十八歳です。今ここで公表するのは時期尚早ではありませんか? 私には荷が重すぎます」

 桜井有菜の言葉に、藤宮弘也の表情が瞬時に曇る。

「嫌なのか? 私が歳をとっているから、それが不満だと?」

 どうしてそういう連想になるのか。話がまったく別の方向へと逸れ、彼女が伝えたかった意図とは正反対の解釈をされていることに、桜井有菜は頭を抱えたくなった。

「そういう意味ではありません!」

「違うと言うなら、有菜。責任を取ってもらわなければな。私のファーストキスを奪っておいて、まさか...

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