第85章

「お祖母ちゃん、そんなことはいいんです。今日は、少し相談したいことがあって伺いました」

 何か事情があるのだと察した野原は、すぐに長男を呼び寄せ、三人は彼女の部屋へと向かった。

「お嬢様、お話とは何でしょうか。遠慮なくおっしゃってください」

「成田さん、これからは『有菜ちゃん』と呼んでください」

 成田は頷き、桜井有菜を見て相好を崩した。

「わかりました、有菜ちゃん。そう呼ばせてもらいますよ」

 桜井有菜は頷いた。

「私たちは家族なんです。そんな他人行儀なのは嫌ですから。……実はお祖母ちゃんと成田さんに相談というのは、このお屋敷の全面改修についてなんです」

 成田は目を丸くし...

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