第6章

金曜の夜、八時。私は寝室の床に座り込み、三週間分の洗濯物を仕分けしながら、これから一体どうすればいいのだろうと考えていた。家の中はなんだかいつもと違って感じられた――静かで、まるで息を潜めているかのようだった。

その時、玄関のドアが開く音がした。

鍵がじゃらりと鳴り、廊下を歩く足音。彼がここにいるはずないと思い出すより先に、心臓が奇妙にきゅっと跳ねた。

「美月?」蓮の声が階段を上がってきた。

リビングに行くと、彼はそこにいた。まるで休戦の印みたいに、白い薔薇の花束を抱えている。憔悴した様子だった――無精髭、皺くちゃのシャツ、三週間前にはなかった目の下の隈。

「蓮、どうしてここに?ホ...

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