第7章

土曜の朝、午前九時きっかり。私は月光ギャラリーのオフィスに座っていた。七年かけて丹念に整理してきたファイルと連絡先リストに囲まれて。窓から差し込む朝日が、すべてを見せかけだけの平穏に照らし出していた。

『七年間、この場所を築き上げてきた。でも、本当は一度も私のものじゃなかったってこと?』

私はラップトップを開き、キーを叩き始めた。まずは青山地区の月詠へ。『例のパートナーシップの件、話し合う準備ができました。帝都支店にご興味はありますか?』

次にマヤへ。『あなたの初の個展について提案があります。このギャラリーではなく、私が新しく立ち上げる場所で』

携帯が鳴った。弁護士の理恵からだ。

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