第175話グレイス

「ねえ、君は隠し事をしているようだね、愛しい人。それについては、お仕置きが必要かもしれないな」

この会議室へ向かう直前、リースが私の耳元で囁いたその言葉を思い出し、顔が熱くなるのを感じた。本当はこの会議になんて出たくなかった。実のところ、今すぐここでリースを裸にして、彼を味わい尽くしたいという衝動に駆られていたのだ。だが、それは叶わない相談だった。デスクの反対側では、ゴールデン・パックのアルファ・レイモンドが座り、私たちをじっと見つめていたからだ。

リースは私の隣に座り心地の良さそうな椅子があるにもかかわらず、私を膝の上に乗せることで所有権を誇示していた。おかげで私の体温調節機能はまったく...

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